本を読む楽しみの一つ。すばらしく思う、感じる比喩との出会い。その出会いは仕事、趣味に役立つ「インスピレーション」をひき起こすきっかけとなる。「インスピレーション」 、 、 、日本語に訳すと「霊感」もしくは「着想」ともいう。私が日々の生活や仕事をよりよくするためのkeywordの一つ。 そんなことで、現在読んでいる本から見つけた、すばらしく感じた比喩をご紹介したい。以後の言葉はその本からそのまま引用。著者:お茶の水女子大学名誉教授。まる写しにより芸がなくすいません。
「補色の原理」
点描画法(ポアンティイスム)という絵の画き方がある。印象派の人たち、ことにモネやスーラが
この画法で有名である。ひとつひとつの色をパレットの上で混ぜるかわりに、画面の上とにとなり合わせに並べる。これを少し離れたところから見ると、互いの色が混ざり合わさった色として目にうつる。しかも、それぞれの色のもっていないような輝きがでる。これを視覚混合の効果というのだそうだが、ポアンティイスムはその効果をねらった技法である。
中略
一つのものが他のものと近接しているとき、対比によって、互いに引き立て合い、助け合って独特の効果を出す。この場合、色を対比させられると、「補色の原理」がはたらく。
中略
となりにどういうものが来るかによって、そのもの自体の意味合いも違ってくる。色ならちがった色に見える。近いものに影響されやすいのである。 同じ本を読んでも、まったく反応を示さない人もあれば、ひどく感動する人もある。もちろん本には本の固有の意味があるが、ほかのものと無関係に存在しているのではない。読者の頭の中へ入って、ほかのことがらと並べられたとき、相互作用がはじまる。互いに引き立て合って輝きを出すこともあれば、逆に相殺して、もともとはあった光沢を失わせてしまうこともあるだろう。
何でもないことが、大発見のきっかけになるというのはよくある例だが、となりに引き立てるものがあらわれるまで、考えは眠っていたのかもしれない。何と何をとなり合わせに並べたら見違えるような輝きを出すのか、絵画のポアンティイスムのようにははっきりとは分かっていない。それで、すばらしい結合は偶然のきっかけを待つことになる。そのきっかけがインスピレーションによるといわれたりする。
と文章はつづく、
上記の内容は、例えば皿に盛られた料理やインテリア、そして夫婦間など、多くの物事に置き換えて
考えれる例えであると思う。住まいにおいて、これからも生活の質を高める、豊かにする発見に力を入れていきたいと思います。