素晴らしい本と出会うと、自分の中に何か特別な厚みが増すような感覚がおこる。何か自分の成長と関係するような、何か自分の感覚の幅を広げ次の段階へ進めてくれるような。先月、オープンハウスの現場待機中、一冊の本を読み終えた。
今もその余韻が残る自分のとって最高の一冊。
筆者のおかげで初めて知る平田雅哉という偉大な職人。またそのおかげで、より深く知ることできた吉村順三、村野藤吾という偉大な建築家。そして、筆者の人間性も素晴らしく、その筆者の表現やそこから伝わる、この三人の静かで奥ゆかしいほんものの仕事にふれることができた。またその他に登場するすべての素晴らしい人々にも日本の魅力を教えていただいた本となりました。この本の中から、心に残り、学びとなった数多くの箇所から一箇所引用させていただくと、
-上略-
住宅建築の依頼主との関係について語っていた言葉を思い出していた。「注文主ーしろうとというか一般の人が家をつくるときには
どうしてもいままでの経験しかないわけですね。将来の経験というのはもてないでしょう。だけどそういうものを洞察してあげるというのが建築家の仕事じゃないかと思うんです」と語った上で、「そこに建築家が介在する意味があると思います」、
-下略-
いつか、この先人たちが残した偉大な仕事から、その本質を学びその土台となった日本文化を感じとるためにもこの本に登場する宿へ、この本とともに訪れたいと思います。