これからの家について、自分が持つ大きな問題意識の一つ。川西市にある紀伊国屋にて、そのアンテナに一冊の本が引っかかり、その帯の言葉に、これからの時代に必要とする考えについてまだ自分の中で漠然としている思考に形を得る感触がした。(原研哉氏と魅力的な発想で活躍する著名な方々との編著の帯)住まいに関係する仕事に携わる者として、この帯に書かれている言葉は今迎えている時代について放射状に拡がっている自分の考えを簡潔にまとめてくれた。その中で特に「家」は全ての交差点になるという言葉に含まれる、これからの家の可能性の大きさ、内容の深さに思いが巡る。また個人的には 美意識の発露としてもという言葉に大きな期待を持つとともにより一層自分がもつ美意識を磨いていこうとあらためて強く思う。もちろん経済的に生活を支えるスマートハウスの考えも重要であるし、最近話題にあがるエネファームと太陽項のダブル発電や蓄電池、そしてその他生活を豊にする可能性のある技術について、まだまだこれから安心して賢く住まうための知識、知恵を身につけていかなければならない。しかしそれと同時に、これから家をもつ多く人々が 、美意識を磨く機会に恵まれ、そのそれぞれ違った美意識を高い精度で表現できる術を得ることができ、「家」にそなえることができれば、本当に魅力ある街々が育ち、豊な国なると実感する。賢く住まう「スマートハウス」という考えとあわせて「美意識」についても深く考えていこうとあらためて意識する機会だった。日本にいる数多くの素晴らしい表現者とどこの街でも本に触れれる環境を作っている日本の本屋さんに感謝です。