先月はじめ前後、青森に訪れた。
3、4年ほど前から強く行きたかった土地。その当時、知った青木淳氏の建築を感じたく、そして、1、2年前に完成させた西沢立衛氏の建築を感じたく思いをつのらせていた。その思いが定期的に通う建築家の好意により実現した。研修旅行に同行する機会だった。自分が感じたかった建築のある土地へ、その分野の専門家と旅ができることに気持ちが弾み、かけがえのない経験となった。そのかけがえのない経験を色濃くしたのは、その建築家と訪れていなければ出会えなかった建築に出会えたことだった。その建築、木村産業研究所。その建築家、前川國男氏。本でしか出会ったことがなく、ル・コルビュジエの事務所で働いていた経歴に、長い間、気がかりだった人物。その最初の建築に出会えるなんて夢にも思っておらず、一番の思い出となった。うれしかった。
この鉄の手すりと白い塗装、そして天井の色使いと組み合わせが心地よく、カッコよかった。なんと1932年頃に建てられたもの。長い年月を越え、色褪せないセンスに何か大切なものを感じた。そして、青森県立美術館 青木淳氏、十和田市現代美術館 西沢立衛氏へとつづく、