昔から、自分が設計する新居や建物に相応しい家具を探しては、想像においてその新しい建物に当てはめ、ほしい物リストにストックしている家具たち。いつか、その家具たちに出会えることを人生の大きな楽しみにしている。いろんな家具たちの中で、特にイスはひときわ親近感がわき、頼れる友のように感じる。去年の末、自分が設計した待望の自宅が完成した。そして、自分の新居のために選んだ家具が一つ届く。
名は、アカプルコチェア
何年か前に雑誌で見かけ、その姿に引かれ、その生い立ちを知るにつれ、野外用のガーデンチェアとしては最も惚れ込んでしまったイスの1つ。その生い立ちを購入したお店の言葉から引用すると、メキシコで60年代からガーデンファニチャーとして愛用されていたチェアをベースに、一つ一つメキシコのクラフトマンたちの手でつくられている
中略
体が包み込まれるような感覚の、快適な座り心地が特徴です。
下略
メキシコ!、そしてそのメキシコのクラフトマンたちによる手作り、そのフレーズだけで、まだ訪れたこともない、各種媒体によってイメージが膨らんだメキシコのテイストに馳せていた気持ちが満たされる。しかも、メキシコの空気に触れた実物に触れることのできる機会がさらにその気持ちを特別なものにした。土臭く赤茶色いメキシコ!メキシコが来た。
野外に運び、夕方、期待以上の喜びにひたった。