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- OPAM(オーパム)の愛称で親しまれている大分県立美術館を訪れて
建築好きとして、また日々住宅事業を手がける不動産会社の一員として、「OPAM(オーパム)」こと大分県立美術館を訪れたときの感動は今も心に鮮明に残っています。

坂 茂氏が手がけたこの美術館は、「街に開かれた縁側としての美術館」という建築コンセプトのもと、大分県の竹工芸をイメージした独創的な外観が、とてもシンプルでありながら未来的に感じられ印象的でした。南側のガラス壁面が開閉し、街と美術館が一体となるような開放的な設計には、「建築は人と空間をつなぐもの」という坂氏の哲学が見事に体現されています。全面ガラス張りのファサードからは、美術館内部の様子が自然と目に入り、従来の閉じられた美術館というイメージとは大きく異なりました。
そんな建築空間の中で開催されていたのが、ザ・キャビンカンパニーによる大絵本美術展「童堂賛歌」でした。15周年という節目の年に実現したこの大規模な展覧会では、彼らの絵本原画や立体造形、映像作品の数々が一堂に会し、空間全体が物語の世界へと変貌していました。


特に印象に残ったのは、段ボールや紙粘土など、あえて日常的な素材を使って構成された立体インスタレーション。住宅空間づくりのプロとして見ても、その組み合わせと構成には学ぶことが多くありました。決して高価な材料ではないのに、豊かな想像力と表現力によって空間そのものが“絵本の中”に感じられる体験へと昇華されていたのです。
また、ザ・キャビンカンパニーの表現が絵本の枠を越え、さまざまな領域と融合している様子にも感動しました。特に、「既成概念にとらわれない刺激的なクリエイション」は、自分がこれまで築いてきた“住まいの常識”を疑う機会となり、深く感銘を受けました。
OPAMという「出会いと五感のミュージアム」において、この展覧会を体験できたことは、ただの鑑賞ではなく、創造(想像)の原点に立ち返る時間でした。坂氏の開かれた建築と、ザ・キャビンカンパニーの自由な発想が出会った空間は、まさに魅力的な美術館の姿であり、そして私たちの住まいづくりにおいて未来のヒントを得る事ができる場だったと思います。
人と街、感性と創造(想像)、そしてアートと暮らしをつなぐ場所——OPAMは、そんな“つながりの場”として、何度でも訪れたくなる場所です。