建物を建築する前に、その土地が建物を建てる上で必要な強度があるかどうか地盤調査をします。調査の結果は地盤調査報告書としてお渡し致します。そして検査機関(ジャパンホームシールド等地盤保証会社)による検査によって必要な強度が確認されれば次の工程へと進みます。 |
まず、点圧機で地面の形を間取りに合わせて整えます。次に防湿シートを隙間なく敷き詰めます。基礎の下に防湿シートを敷く事によって、地面からの湿気を抑えます。基礎のコンクリートの中性化を防ぎ、また木造建築物にとって湿気は最大の敵で、地面からの湿気が多いと、木材が腐りやすくなったり、カビ・シロアリに食べられやすくなります。建物の耐久性に大きな影響を与えます。また、常時生活する場所に湿気が多いと体の健康にとってもあまり良くありません。
次に、基礎の施工に入ります。基礎は建物にとってとても重要な役割をもっています。基礎には主に布基礎とベタ基礎があります。以前は比較的地盤が軟弱なところはベタ基礎、比較的強固なところは布基礎という形で使い分けられていましたが、地盤が強固なところでもベタ基礎を使うことによってより強くし、耐震性を向上させています。近年、日本ではベタ基礎が主流になっています。基礎の素材は鉄筋コンクリートです。コンクリートは熱・水にはとても強いですが、張力に弱いです。 その部分を張力が強い鉄筋を入れることによって補っています。施工手順は、まず配筋を組みます。組み終わった時点で検査機関による『配筋検査』 があります。ここでは、鉄筋の太さ、鉄筋同士の継ぎ手の補強具合、立ち上がり部分の寸法等の検査を行います。当社は、鉄筋については全て直径10mm〜13mmのものを使っています。 基礎コンクリートについても構造体検査の時に『密度と強度』を計測する機器(テストハンマー)と『日本材料学会標準式』をもとにして確認します。
基礎が完成し、土台を施工します。床下の換気方法として基礎と土台の間に『基礎パッキン』を挟み隙間をつくる事によって、家の周り360度全体から空気が入るようにします。以前の日本の木造建物の床下換気方法は、基礎に長方形の換気口を何箇所か開ける事によって行っていましたが、この方法だと基礎に穴を開ける事によってその部分の鉄筋が切れてしまい基礎自体の強度が弱くなります。
また、角の部分に湿気が溜まりやすくなったり換気効率もあまり良くありません。近年、基礎パッキン工法が主流となっていますが、今でも基礎に換気口を開ける方法を採っている工務店もあります。基礎・基礎パッキン・土台はアンカーボルト(土台継手)によって直結されます。柱があるところはホールドダウン金物 (柱と土台の金物)によって直結されます。直結する事によって強固な基礎との一体性をだし、耐震性を向上させています。 |
また、土台・柱の立ち上がり部分については防蟻・防腐処理をして保証書を発行します。土台の枠組みが終わると次は、床を貼っていきます。床材の裏面には、ポリエチレンフォーム(ミラフォーム)という断熱材を施工します。断熱材は冬季の床下からの寒気を防いだり、暖房の熱が逃げるのを防ぐ役割や、また夏季には床下からの熱気を防ぎ、冷房の涼気が逃げるのを防ぐ役割を持っています。床材は『24mm厚』の構造用合板です。後の工程ではこの上に12mm厚のフローリングを貼ります。近年、一般的な床材の厚さは18mmが多いようで、工務店によっては10mm厚を使用しているところもあります。床の厚みというのも耐震性・断熱性・床材が薄い事によるきしみ、そり等の上でとても重要な役割を持っています。
土台ができあがれば、次は柱・梁・屋根等の骨組みを造っていきます。柱・梁等の構造材は、間取り図面に合わせて「プレカット」というコンピュータ制御のもと全て機械によって製材されます。プレカットの技術の導入によって良くなった事は、大工さんの腕による建物の良し悪しの差が少なくなった事やコスト面です。以前は、建物を建ててもらう大工さんによって、建物の質も大幅に変わっていましたし、また、コストの面でもいい大工さんに家を建ててもらおうとすると高くついてしまう事がよくありました。
製材方法の次は材料の質です。木造建築の場合、建物に使われる木材がしっかり乾燥しているか、していないかが重要なポイントになっています。木材は乾燥すると変形する性質を持っています。もし、未乾燥材を使用すると、住みながら乾燥していきます。すると、購入した時はしっかりした家であっても、2・3年住むうちに木材が乾燥してきて、床がゆがんできてしまったり、クロスが破れたり、外壁にひび割れがはいったり、また、ひどい場合ですと建物の主要構造体じたいが変形により弱くなってしまう事もあります。
そういった事を防ぐために木材は乾燥材を使用します。乾燥材とは、一般的に含水率(木材に対する水分の比率)が20〜25%以下の物をいいます。含水率がこの数値を下回ればそんなに大きな問題はありません。ただ、やはり木造住宅なので外壁のサッシ回りには多少細いクラックがはいる事がありますが、手入によってすぐ直ります。
当社が使用する乾燥材は中国木材の『ドライビーム』という商品です。この乾燥材は乾燥材のブランド商品というべきもので、含水率を15%前後に維持しています。次に、屋根材ですが、屋根材は一般的に大きく、瓦・スレート・ガルバリウムの3つに分けられます。耐震上は屋根材というのは軽ければ軽い程良いといわれています。頭の部分が重いと揺れる時に揺れが大きくなってしまうからです。当社はこの中でも最も軽いガルバリウムを使用しています。
また、ガルバリウムは錆びない金属なので瓦・スレートと違い耐久性が半永久的です。スレートの場合は耐久性が約15年ですが、15年後に貼りかえる時には、規模によりますが200万円弱のコストが掛かってしまいます。
*中国木材株式会社「ドライビーム」(http://www.chugokumokuzai.co.jp/)
■内装
耐力壁を貼り終わった後に、電気配線・ガス配管・水周り配管を完了させ、屋外に面する室内壁に断熱材を隙間なく貼っていきます。断熱材を貼り終わるとその上にプラスターボード(石膏ボード)12mmを貼っていきます。プラスターボードは不燃材で作られており、もしもの火災時に延焼を抑えます。プラスターボードを貼り終えると、パテによって凹凸を無くしクロスを貼っていきます。クロスについても不燃材でできています。床は工程4で貼った床材の上にフローリング12mmを貼ります。また、(ドライミストバス(YAMAHA)・キッチン(タカラスタンダード・MICADO)・洗面器(National・ MICADO・INAX)等)の設備も搬入されます。
■外装 外装については、雨にさらされるため防水処理を施す必要があります。まず、工程6で貼った柱に外側から防水シート(塗りの場合は黒色アスファルトフェルト・パワーボードの場合は専用防水シート)を全体に隙間なく貼って行きます。全てのサッシ・窓周りは他の箇所と違い開口部にあたるので、防水シートの上から防水テープを貼り、二重に防水加工します。 次に、ラスモルタル(外壁塗装下地)の載りを良くする為に、防水シートの上から金網を張って行きます。 |
ここまでの作業が完成した時点で検査機関による 『外装下地検査』 があります。ここでは、防水処理がしっかり出来ているかどうか、換気扇の排気口の防水処理・雨水の水切りに至るまで細かく検査します(※オプション)。ここで合格して、ラスモルタル(外壁塗装下地)を塗って行きます。ラスモルタルが乾くと、次は仕上げである色つきの外壁塗装(セラスカケン・ベルアート:エスケー化研株式会社 http://www.sk-kaken.co.jp/ )で仕上げます。外壁塗装が乾くと、検査機関による 『完了検査』 があり、ここでは、バルコニーの防水処理や屋根裏の換気方法等その他の箇所に関しても最終のチェックを行い、合格して検査済書が発行されます。
外壁塗装が乾いた後は、外溝工事に移ります。敷地境界部分はブロックを積み、その上にフェンスを立てていきます。ガレージには、コンクリートを打ちます。室内はクロスを貼り終わると専門の業者に室内クリーニングをしてもらい、綺麗にします。最後にフローリングにワックスをかけ完成です。