ことについて考える。そして 住む建ものについて考える。その建ものから出た時、お父さんは職場へ、子供は学校へ、お母さんは買い物や習い事、もしくは職場へ行く。その先、職場での成果、試験の成績、趣味の 、人間関係、に自分が住む建ものとの関係は意識されない。それは、科学的に説明できないから、根拠がみつからないから、目に見えないから、住むことについて考え、住む建ものがその住む人に感覚的にしっくりくるということは、その建ものから出た先にも関係すると思う。
どのように、、毎朝、目が覚めると新しい一日が始まり、意識がたちあがる。その時の心の状況により、新しく始まる一日がどう経過するか、その内容の8割は決まる。その時の心が晴れていれば、住んでいる一人、一人の一日、その積み重ねからなる一ヶ月、一年の循環がよくなり、すべての活動の場が自分の望む成果へと向上していくような、、感じを受ける。
ということで、私の尊敬している建築家の一人が、その住まいに望むものを上手く言い表している文をご紹介します。或る人がこういうことを、或る有名な建築家に尋ねた。
『住宅建築の極致とは、どんなものですか。』
するとその人は、『新築のお祝いによばれて行って、特に目立って誉めるところもないし、といって又けなす処もない。そしてすぐに帰りたいといった気にもならなかったので、つい良い気持ちになってズルズルと長く居たといったような住宅が、住宅建築の極致である。』と答えた。
『吉田五十八氏 饒舌抄から引用』
↑東京の帰り、新幹線から、