2024-01-08新年早々にOPAMのテルマエ展へ行ってきました！

人類史上に輝く繁栄を誇った古代ローマ。その古代ローマの繁栄と日本の入浴文化が融合した素晴らしい展覧会でした。
漫画『テルマエ・ロマエ』でおなじみのテルマエ（公共浴場）、その漫画の主人公であるルシウスさんが案内人として古代ローマのテルマエと日本の入浴文化を紹介する構成となっていました。入浴を娯楽と文化の一環として楽しむ姿勢が素晴らしく、約170点の図版や資料で、入浴文化を支えた建築や工芸技術、美術品など、日本の入浴の歴史が分かりやすく展示されています。入浴の歓びを追求した人類の物語を感じながら、展覧会を満喫しました！
そして、この後、大分で展覧会を楽しんだ僕たちは、帰りの船へ向かう途中、美しい海が見える丘にある温泉に浸かり、余韻に浸り、心に残るひと時を過ごすことになりました。

最後にナポリ国立考古学博物館館長　パオロ・ジュリエリーニ氏からの当展覧会に届けられたメッセージをご紹介します。
¨近年、ナポリ国立考古学博物館では、日本との国際交流を強化してきました。単なる作品の貸し出しにとどまらない数々の取り組みは、日伊両国の相合理解を促進する平和と成長の架け橋となっています。成功の秘訣はお互いを知ることです。しかし、最近の国際情勢を見ると、これは当たり前のことではなく、危険はいつもすぐそばに潜んでいることが明らかになっています。ある国の伝統を理解することは、相合尊重の精神を取り入れることであり、あらゆる政治プロセスの基盤となります。
この展覧会では古代ローマの浴場を紹介するのみならず、浴場をテーマに据えて、古代ローマ世界と日本を比較します。両国の文明には相違点が多いように見えますが、実際には多くの共通点が、両者を結びつけていることに気づくでしょう。２０２２年に日本の４都市で開催した「ポンペイ展」同様、本展でも火山をはじめ、医療、豊かな風土、人々に出会いや社交、考古学と地質学の綿密な関係など、両国に共通する要素が、２つの世界を結びつけています。
日本の有名な漫画がローマの浴場空間を舞台にしたことは、私たちを驚かせました。この素晴らしい古代世界への視点は、西洋的な固定観念にとらわれないからこそ可能だったのかもしれません。
ナポリ国立考古学博物館にとって、青柳正規氏と芳賀京子氏の監修、ならびに、ウンベルト・パッパラルド氏とロザーリア・チャルディエッロ氏の学術協力のもと開催する本展に参画することは、大変光栄なことです。このような文化交流イベントを継続的に開催することを意義深く感じ、今後も同様の協力関係が末永く続くことを願っています。¨

P.S.　当展覧会が行われたOPAM（大分県立美術館）は建築家である坂茂氏が設計した建物で、シンプルに解放感のある素晴らしい建物でした。平日の開館と同時に行ったおかげか、建物はほぼ貸切状態。最も好きな建築家の一人である坂茂氏の建物を静寂のなか体験できたことは素晴らしい出来事でした。