2009-10-17街の風景　¨仙川¨

昨日に引き続き、心地いぃ街の風景のご紹介。今回訪れ、感じた心地よさは一つの建築事務所と情熱ある施主が街並みに美しい風景を求め、コンクリートという使用した素材による程よい緊張感をともなうものであった。

街が生まれる－仙川
安藤忠雄建築研究所による世界的にも注目されている街づくりプ ロジェクト。このプロジェクトは新設された都道を挟んで安藤建築6棟を建ち並べるというもので、新しい街づくりのかたちと可能性を感じる場所として注目を集めていた。そしてそのプロジェクトが始まるきっかけとなったのは、美しい街並みの実現を願う伊藤容子さんという女性の情熱ある行動によるものであった。この街を訪れるまで、この方の存在は知らず、その場所へ出向いたのは安藤忠雄氏の街づくりに対する興味によるものであった。そしてこの街にある東京アートミュージアムという美術館に訪れたことによりこの方を知り、その後、インターネットにて調べることによりもっと詳しく知ることができた。

そのインターネットの個人の方のブログにて書かれていた内容に気持ちを熱くした。
以下、そのブログの内容。
　
一九九〇年、伊藤さんが所有する約一万六千平方メートルの長方形の土地を貫く形で、幅十六　メートルの都市計画道路の整備が決定。所有地の両側には、三角形や車一台がようやく止められるような狭い土地が残されることになった。前年に父親を亡くし、相続税対策に頭を悩ませていたころ。残った土地も「ひと思いに売却してしまえば簡単」だったが、心配なのは乱開発。都市計画には以前 から興味があり「土地を持つ者には社会的責任がある」と、統一的な景観を守ることを第一に、自分が開発を主導することにしたという。伊藤さんは「京都など古い時代のものを別にすれば、世界に自慢できる街並みが日本にはなかった。今回の取り組みは、都市計画のあり方を考える上で貴重な実践例となるはず」と話す。

ここで私が大切にしたい気持ちは、「自分の住む街の風景や文化を豊かにしようとする使命感と責任感」、そして「地元を豊かにすることから日本の風景や文化の豊かさを世界へ発信し、世界の豊かさに貢献しようとする思い」その思いや活動が、他の国々に住む人々の住まい方に役立ち、日本を感じてもらう一つのきっかけとなれば、日本に住む人々の誇りや自信につながると強く感じました。余談ですが、一度、スペインのバスク自治区ビルバオで、忘れ物を返してもらうため事情を説明しても美術館の担当が僕の言い分を信じず、大変こまった出来事がありました。しかし、たった一つのきっかけで状況は一変し、親友にでもなったかのように話が盛り上がり、気持ちよく忘れ物を返してくれたのです。そのきっかけは、身分を証明するため提示したパスポートでした。日本から来たと知った瞬間、日本でやっている「Ｋ－１」や「プライド」のような格闘技の大会について熱く語りだし、僕がやっているわけではないのに感謝までされました。その国でやっていることが世界へ発信され、人を喜ばせている、その国の文化が他の国の生活を豊かにする、そんな出来事が増えれば、自然と地球に住む人々が仲良くなれる機会が多くなりそうな、行く先々で自然と友達ができ旅がもっと豊かになりそうな気がして、いい経験でした。
「Ｋ－１」「プライド」、ありがとう。
２００８．６．