今月、建築史家で建築家でもある藤森照信氏の著書、「素材の旅」という本を読み終えました。たくさんの建築家が本を出していますが、その中でも藤森氏の本を最も多く読んできました。その中で一流の建築家たちの建築に深く興味を抱かせてもらい、今回に読み終えた本の中の旅のように、僕も本などで知った建築のある土地へ、よく旅をするきっかけを頂いてきたように思います。そして今回の本の内容は、完成した建築物とは違い、日本の土地に根ざした自然素材をめぐる旅でした。建築を構成する素材、その一つ一つにも深い歴史や文化があり、そしてそれらを受け継ぎ、建築の素材として時代に作り残し続けようとする職人さんたちの仕事をよく知ることができたと思います。自然 、日本列島における豊富で貴重な資源。こらからも日本で、また世界で活躍する方々から大切なものを学んでいきます。最後に、この本において僕の気持ちに最も印象を残し、また藤森氏の活動にとっての全てに通じているであろう本の裏表紙に書かれている文を紹介します。「20世紀の末には、土石・草木の世界は科学・技術の世界にきれいサッパリ取って変わられたように見えた。建築史家としてのわたしの目と手は逆だった。土石、草木でいこう。土石・草木こそがわたしの心身に深く浸みているのだから。