2012-01-27日本の美。

去年、今まで12年間仕事で住まいに携わった中で最も成果をあげることができたので、自分へのちょとしたご褒美といつも支えてくれる妻への感謝の気持ちを込め、その年末、京都にある最も訪れたかった宿で時間を過ごすことにした。そして、今年のさらなる飛躍を祈願するため護国神社へ訪れ、その宿へ向かう前に京都御所を散歩した。

護国神社からの眺め。

そしてお昼に大好きなにしん蕎麦を食べる

食事の後に運動もかねて京都御所へ、、、

司馬遼太郎氏著　竜馬がゆくの時代を想像しながら歩いたぬける視界、手入れされた庭、まわりの自然や京都をかこむ山々に調和する建物のボリュームと土塀の質感が気持ちよく、いいかたちで心が落ち着いた。そして、この旅に用意した宿へ向かった。

その宿、「俵屋」
その宿は京都でも最古の宿として知られており、その歴史のあるおもてなしと数十年前に尊敬する建築家　吉村順三氏が設計を手がけた新館の一室を体験することとなった。
その体験は生涯忘れることのない、気持ちの良い感触として残ったように思う。その感触は、僕の座右の銘でもある、昔、建築家吉田五十八氏が言った住宅建築の極致に近いように思う。
偏らない、素朴でありながら確かにそこに何かある、言葉で言い表し難い感触、、、
何はともあれ、長年の夢が一つ叶った。

部屋は全部で18室あり、今回一泊佇んだ部屋は偶然とれた部屋だったが本当にいい部屋だった。そしてその偶然が、以前に中村好文氏という建築家がこの宿を訪れた時、一泊佇むならと選んだ部屋であるという最高の巡り合わせを呼んでくれたことを知り、そのおりかさなる偶然の出来事に感謝した。その建築家がその部屋を選んだ理由が載っていたので紹介する。
これぞと思う客室選びの条件、
一、廊下の行き止まりの部屋、または入り隅に位置する部屋であること。
一、部屋に掘炬燵式の書斎机があること。
一、風情のある和風庭園の眺めが愉しめること。
一、水まわり(洗面所、脱衣所、浴室、トイレ)が清潔、快適で心安らぐこと。
、、、
俵屋、、、京都、日本の美意識を感じた。
この体験はこれからの僕の仕事において貴重なものとなったと強く思う。